或る闘病記

生きるって楽しい。

祈りの献血、命の輸血

 

 

 

 誰かのを救ってみたい!!!

 

 

 

 と思ったことありませんか。ありますよね。なければ人間じゃないですよまじで(笑)

 

4/13 追記:冒頭二行につきましても全面撤回いたします。申し訳ありませんでした。

記事自体の削除は致しませんのでご容赦くださいませ。

 

 こんばんは。何を今更という感じですが白血病の大学院生です

 

  一応拡散希望記事なので、初めて僕のことを知ってくださった方のために雑に自己紹介しておくと、毎日大量の輸血を受けないと死んでしまう23歳の男子学生です。血液型はABからOを経て再びAB、そして現在Bです。車と阪神タイガースが好きで、朝起きることと整理整頓が苦手です。よろしくお願いします。

 

 

 毎日のように輸血されて命をいただいている身で、調子に乗った猿みたいな出しゃばった書き方をするのもどうかなと思ったのですが、なんだかんだこういうテイストで書いた方がドキッとして伝わりやすいので、今日はこのテンションで献血のお願いに参りました。

 

最近、池江さんが発信されたことでようやく献血というものの存在が大きくなってきましたが、それでもまだまだ血液不足は慢性的に続いています。献血って一体どんな人に届いているんだろうというその具体的なイメージを持っている方は、実は本当に少ないのです。そりゃそうですよ、自分の血をただで分けてあげる「ボランティア」なのに、その血がどういうふうに使われているか知らない人が多いのですから。

 

今の日本の献血って、例えるならまるで「血税支払ってるけどそれ何に使われてんの状態」なのです。僕の血一体何に使われてるのかよう分からんし、まぁ血足らん足らんいうてるけど足りとるんでしょ、みたいな。そりゃ普通そう思いますよね。だって事実、多くの人が輸血のシーン直接見たことないですもん。

 

 

というわけで僕が実際に受けている輸血の実態についてドドドドっと書いた上で、もっともっと献血を身近に、そして献血の際の使命感と達成感をさらに持っていただけるように全力ジャンピング土下座で勢いに任せて書いていきたいと思います。

 

 さて冒頭の繰り返しになるのですが、

 

 

 死ぬまでに、一度でもいいから他人のを救ってみたいと考えたことはありませんか!

 

 

 ありますよね、でもどうやって?

 

 火事が起きてる家に突っ込むとか、踏切に取り残された人を助けに行くとか、トラックの前に飛び出した子供を庇うとか...

 

 

危ない!!!

どう考えても危なすぎる!!!

危ないし普通に考えてまずそんな機会ないよ!!

 

漫画じゃあるまいし、人の命を(直接)救うって、医療や福祉の関係者とか警察官とか消防士とか、そういう仕事についている人しかできないんですかね?

 

 

 

いやいや。。。献血がありますよ!

 

 

 

献血「リスクゼロ」「他人の命を救える」という唯一無二の手法です。他にありますか? リスクを全く背負わず直接人間の命を救う手段。申し訳ないですけど僕には思いつきません。

 

4/9追記:リスクゼロって書いたらいやいやリスクありますしそのための同意書ですよって言われました。揚げ足とる人ってどこにでもいますがたしかに本当にゼロではないのでちゃんと書いておきます。年間800人、およそ0.01%くらいにそれなりの健康被害があります。この確率はちょうど一人の人間がある1年に交通死亡事故を起こす確率と同じです。参考まで。

 

4/10 追記 :数多くの批判をコメント欄やTwitterでのリプライ、引用リツイートにて受けましたので「リスクゼロ」「揚げ足」発言に関しましては完全に撤回した上で発言内容を謝罪いたします。申し訳ありませんでした。毎日のように大量に輸血を受け、皆様から命をいただいている身にありながら、無償の愛を持って人助けをしようとしたにもかかわらず、不運にも健康被害に遭われた方々への配慮が僕自身の中で完全に欠落しておりました。本当に申し訳ありませんでした。

 ただ僕もボランティアでこういうことを書いておりますし、本ブログにおいては一切の収益化もしておりません(はてなブログにはアフィリエイト[商品紹介]以外での収益化機能はありません)ので、何十万字(本記事だけでも1万2000字で、文字を書くのに5時間、さらに情報収集に10時間かけて仕上げました)の中のたった数文字に政治家の失言レベルと同様の批判をいただいても、全てにおきまして真摯に対応できるとは限りませんし、今後もこのように一言一句失言に気をつけないといけないという状況になっては、もう金輪際文章が書けません。言い訳にはなってしまうのですが、明るく楽しく、時にはふざけたような感じでユーモアを持ってお伝えすることを念頭に置く中で、不用意な発言というものは必ず存在することになりますので、ほんの少し気になる程度の部分は仏の心で大目に見ていただけると助かります。ただ本件に関しましては僕自身に重大な過失があると考えています。申し訳ありませんでした。

 

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京都府赤十字センターパンフレット

スマホの方はズームしてご覧ください)

 

 

このパンフレットの中央部分を見ていただくと分かるように、血液には使用期限があります。それぞれの期限は次の通りです。

 

赤血球:21日間

血小板:4日間

 

 え、短くない?と思ったそこのあなた。

そうです。赤血球は牛乳血小板はケーキ(の消費期限)と覚えてください(僕が考えただけですが)それくらいの期限なんです。だから慢性的な不足が発生するのです。

足りない足りないって、足りてるじゃんと思う方多いと思いますが、患者目線で正直に言います。

 

全然足りてません。

 

午前中に届くはずの輸血が夕方になってようやく届くなんてこと、日常茶飯事です。

別に夕方に届けばいいじゃん、、、?

 

いやいや。

僕のデータ見ました?

 

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血小板数1000。この状態の時間が長ければ長いほど、脳出血等の生命に関わる出血のリスクは上がり続けたままです。たった数時間かもしれないけれど、もしかするとそれが生死を分つかもしれない数時間になることだってあるのです。

 

献血は愛だ、とか言いますが、愛どころじゃないですよ。

 

献血そのものなんです。

 

そしてその命を、実はめっちゃ快適に提供できるんです!!!

痛いのは一瞬!

 

 

と言いたいところですが何が痛えんだよ(笑)

 

 

赤ちゃんでも泣きながら頑張って注射受けるのに大の大人が注射痛ぇとかほざいてんじゃねぇぞ!!!

 

(事情があり献血できないという方へ:それは仕方ないです。どうしても献血が無理だという方は、あなたが献血できない分、知り合いにこの記事を広めてみてください。あなたができなかった分以上の血が提供されれば、それってあなたが献血したことになりませんか? 献血を広めるというのもまた献血です。どう考えてもたり前のことですが、これ気づいていない人かなり多いです。)

 

 

で、この快適に提供という部分。

 

実際にどんな快適設備があるのかは、それぞれの献血ルームによって異なるのですが、だいたいこんな感じの設備になってます(と書きましたが、僕は一生献血ができない身体なので、献血ルームには入ったことないです、知ったかぶりしますが許してくださいね)

 

 

【超オシャレ空間】

(全献血ルームがこんなに綺麗というわけではないですが…)

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献血ルーム池袋い〜スト(東京)

 

 

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有楽町献血ルーム(東京)

 

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akiba:F献血ルーム(東京)

 

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東京都赤十字血液センター

 

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献血ルームMEET(茨城)

 

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横浜Leaf献血ルーム

 

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献血ルーム ピース(広島)

 

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献血ルーム もみじ(広島)

 

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献血ルーム伏見大手筋(京都)



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御堂筋献血ルーム CROSS CAFÉ


 

 

【超充実サービスの数々】

 

①ソフトドリンク飲み放題
(お腹壊すまで飲もう!)

 

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②漫画読み放題(コナンを全巻読破しよう!)

 

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③お菓子サービス(平げよう!)

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④アイス自販機やパン自販機(専用メダル)があるところも!
(お金握りしめて17アイスの自販機の前で悩みまくった小学生時代を思いだせ!)

 

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⑤コーヒー飲み放題サービスや書店風の献血ルームも!
(これはもはや何)

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⑥まさかのイベント

(お金払ったら3000円くらいするやつゥ)

(詳しくは「最寄りの献血センター名」+「イベント」で検索ゥ!)

 

例:占い(タロット、手相、算命学、九星、筆跡)、似顔絵、ハンドマッサージ、足裏マッサージ、メンタルセラピー、アートセラピー、カラーコーディネート、人生相談、マジック、体内年齢測定、骨格調律、ネイルアート、ネイルケア、ワンポイントメイク

 

 

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イベント実施例(岡山県



献血規定回数を達成するたび記念品贈呈

(回数:10,30,50,70,100,200,300...)

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⑧予約するだけでプレゼントあり! f:id:GUCCHi:20210408035132j:image

 

 

献血ポイント溜まる!使える!

献血するとポイントが溜まります。

予約やアンケートでもポイントが溜まります。

 

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献血でもらえるポイント数

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ポイント交換例(各献血ルームによって交換できるものが異なりますので、気になる方はお問い合わせください)

 

⑩たまにあるとんでもないプレゼント

(マジかよ赤十字社ァ!!!!)

 

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え?って思うでしょ。

このモバイルバッテリーのやつ今やってますよ

(@京都、4/3〜4/11)

【献血バス】予約キャンペーン(4月)|新着ニュース・プレスリリース・イベント|京都府赤十字血液センター|日本赤十字社

なんか京都の赤十字さん、太っ腹で3月もやってたんですよねこれ・・・


 さぁ行け!

献血Web会員サービス「ラブラッド」から予約だ!

早い者勝ちだぁ!

 

(マジですぐ埋まるので頻繁にラブラッドをチェックしましょうね。)

 

え?ラブラッドに会員登録していない?

献血カードがいりますよ献血カードが。

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初回で貰える献血カード(ダサい)

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ラブラッド会員になると貰える上級者向けカード(スタッフに言えばこちらに変更できます)

初めて献血をすると献血カードがもらえるので、裏面に記載されている献血者コード(10桁)でこちらから会員登録します。

つまり1回でも献血に行かないとラブラッドには登録できない!

 

ラブラッドに登録して、頻繁にメール(LINE)をチェックしていれば、美味しいイベントにありつけちゃいます。登録しない理由、どこにありますか? マジで人生の半分ぐらい損してますよ(笑)俺も献血したかった〜一生できひんのマジで悔しいので僕の代わりに早くいってください。

 

というか僕がここまで言うてんのにまだいきたくない人います?

それマジで人間としてやばいですよ(笑)

 

 あとは献血Q&Aだけ整理しておきますね。

 

  • 体重と年齢と血圧の制限を教えて!

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4/9 追記:当初表示していた表に400mL全血の体重制限の誤りが見つかり訂正しました。ご指摘ありがとうございました。

 

4/23 追記

一部献血ルーム献血の際に独自基準を設けているところがあるそうです。周知されていないのは問題だと思いますが、患者の健康を守るためでもあります、ただ、とにかく行っても無駄足だった、何も説明されずに家に返されたとのお話を聞き、それは良くないなと思いました。本件については後日当該の広島県血液センターよりこのような回答が得られましたので、例として貼っておきます。

 

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  • 初めてなんだけどどうすればいい? 

身分証だけ持って「初めてです」と伝えればOK!

初回は「静脈認証」します!これで本人登録が完了!

次回からは指をかざすだけ〜!

最初は400mL全血をお薦めされますが、上記4種類の希望は聞いてくれるので、年齢と体重に応じて好きなのを選んでください!

(注:献血バスにはドリンクコーナーがなく(飲み物は渡していただけますが)、夏場に初めて行く女性で脱水のため血圧が足りず断られてしまうケースが多発(およそ20人に1人)しています!(水分を多く取ると血圧が復活します)また、冬だとバスの待ち時間で冷えてしまって、これは血管の収縮に響いてしまい、採血に支障が出ます!勇気を持って行ったのに、初回で断られてしまうと本当にショックを受けます。女性の方(男性の方ももちろんそうですが)、初回は献血ルームに行って、夏場は水分をちゃんと取り、冬場はちゃんと温まってから、献血に臨んでいただくとより安心です)

 

ただ、一つ覚えて置いてほしいことがあります。

200mL全血献血の要請度です。

実は200mL献血は、「体格の小さな小児」および「心臓機能が低下した高齢者」など限られた方々にしか使えないということです。そしてその要請度は、400mL献血が96%なのに対し、200mL献血はわずかに4%なのです。つまりほぼ余剰状態で、もしかしたら提供しても捨てられてしまう可能性があるということです。(万が一不足している場合は、そのことを献血ルームの方が教えてくれるはずです)。

これが献血バスで400mLのみしか取り扱っていない理由でもあります。ですから、400mL献血か、成分献血のどちらかをお願いします。

 

 

高校生の皆さんへ!

「ハタチの献血って言うから自分は献血できないと思ってませんか!実は16歳からできます!!(あのフレーズ、20歳以上しかできないみたいなイメージ日本に植え付けて最悪ですよ赤十字社さん!!)

200mL献血なら16歳からできるのです!

捨てられるとか書きましたが、実際はそんなことないので安心してください。それを絶対に捨てないように一日中管理するだけの職業をされている方がすごい人数いますから。献血を高校生のうちに始めるのは、のちのハードルも下がるだけじゃなく、多感な時期に自身の健康状態を定期的に無料で知られてとてもいいことです。あなたたちはこの4%の200mL献血を担ってください。生まれたてで入院しなければならなくなった赤ちゃんに血を届けてください。

 

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4/13 追記:実際に血液製剤を管理されていた方からのコメントです。


 

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  • 予約は必要?所要時間は?

 

予約はいりません。が、予約しておくと時間が読めてスムーズです。特にイベントや行事(ホワイトデー、クリスマス企画等)のある日は。予約した場合全血およそ40分、成分献血およそ90分です。予約して行かない場合、休日の都市部やと終了まで2~3時間かかる場合があります。

 

でもね、慢性的に不足してるんですよ、基本的には。平日なんかガラガラ!本当は予約でいっぱいになるくらいになってほしい!!!!ただ初回はweb予約できないので(web予約はラブラッド会員のみ)、もしどうしても初回で予約をしていきたい場合は直接献血ルームに電話をかける必要があります。まぁ別にそこまでして予約しなくても、とにかく暇ができたらふらっとカフェに行くつもりで立ち寄ってみてください。

 

  •  採血データはくれる?

ラブラッドに登録すれば翌日くらいには見られます。登録しなくても郵送希望すれば葉書で届きます。健康管理にもいいですね。

 

・昔、病気だったんだけどできる?

実は最近少しずつ条件が緩和されてきて、悪性腫瘍(がん)になった方でも寛解後5年以上経過していれば献血できた例があります(わい調べ)。病気の種類によりますので、もしかしたら、、、と思う方は、献血ルームに行って聞いてみてください。(バスやと絶対断られます)

 

  • 次回までの日数は?

全血(400mL)は男性年3回、女性年2回までなのです。

少ないですよね。でもこれが献血者の健康を守るための条件で、致し方ないのです。

だから慢性的に不足するのです。

でも、もっと行きたい。。。

そんな時は、成分献血です。

これ知らない人がほとんどなんですが、成分献血からしか、血小板製剤は作れないのです。

そうです。僕が毎日提供を受けているやつです。

そしてさっきも言いましたが、この血小板「ケーキ」です。です。4日しか持ちません。だからダブル献血してください!!!!

僕みたいな人間が毎日どこかで待ってるんです!!!!

 

成分献血には「血小板」と「血漿」のに種類がありますが。「血漿」はレアです(後述)。基本的に需要が高いのは「血小板」なので。ぜひこちらをお願いします。これは1回で2回分換算されるので、年間最大12回までできます。

 

つまり、男性は年間3回+12回=15回、女性は年間2回+12回=14回、献血が可能なのです。

月1くらいで行ってくれるととても喜びます!!

 

 

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月一でお菓子食べてアイス食べて漫画読見ながらドリンクがぶ飲みしてダラダラ過ごす生活、ちょっと楽しそうじゃないですか?

ほんでポイントも勝手に貯まって粗品をもらえて、感謝されるんですよ。何これ。笑

 

そしてたまにもらえるとんでもないプレゼント・・・

あとは言わなくてもわかるよな?

 

以上、まだ献血に行ったことがない方向けの内容でした!

 

 

 

 

 

、、、と、実は今日の本題はここからなのです、、、笑

 

まさかのここまでが前置きでした。長いね。

 

 

今日の闘病記のタイトル、思い出してください。

 

「祈りの献血・命の輸血」ですよ。

 

モバイルバッテリー5000mAhの紹介して終わるわけないやないですか(笑)

 

 

 

別にね、物でつられるの、動機付けとしてはいいんですよ動機付けとしては。

だって今実際にこれ見てちょっと献血してみたいなって言う方何人もいると思います。

それは本当にいいことです。

しないよりはする、ゼロよりはイチです。

きっかけはなんだっていいんです。

でもそれがいつしか自己目的化してしまうような気もするのです。

赤十字社が餌を撒く。

お菓子あげるからこっちおいで。

景品あげるからこっちおいで。

 

でもそれって子供じゃないですか。

献血お願いします!」

献血お願いします!」

献血お願いします!」

「今日は景品ないの?じゃあやめとこ」

「え、献血バスってドリンクも漫画もないやん」

献血バス行ったけど何ももらえへんかった〜」←これTwitterでよく見ますよ

そして誰も足を止めなくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこまでしないと日本人って動けないんですか????

もっと高尚な助け合い精神の民族じゃないんですか???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなに頑張ってる患者がいて(僕のことじゃないですよ、もっと苦しんでいる人はたくさんいます、死んでいった人間が大勢いるんです)、その一方でお菓子やジュースがあるかどうかで献血する人たちがいて。

そりゃ別に、行動しない人間よりは行動する人間の方がもう何倍も何十倍も何百倍も偉いんですけど。

 

 

 

違うねん!

それ構図としておかしいねん!!

 

 

 

 

そして僕が思うに、そのおかしな構図を作り上げてしまっている最大の要因は、献血することばかりが取り上げられて、輸血の現場が一切取り上げられていないことなのです。そしてそれゆえ輸血の深刻さが伝わらず、回り回って献血の重要性もうまく認知されていないのです。

 

僕、間違ったこと言ってますか?

 

 

 「献血=輸血」

それはみんな知っているけれど、

献血のことはよく知られているのに、

輸血のことは全く知られていない。

 

これが献血が広まらない最大の理由なんです日本赤十字社さん!!!!

 

今日は僕が責任を持って、この国の血液疾患患者を代表するつもりで、輸血について全身全霊で、医療の現場で何が行われているのか書いていきます。

 

 

 

まず、皆様からご提供いただいた献血がどんな輸血に変化しているか、というお話しです。献血には4種類(実はもっとあるんです、これは後ほど解説しますのでとりあえず4種類)あるように、輸血にも種類があって、4種類(これも実はもっとあるんです、後ほど解説)あります。

 

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献血の4種類は先ほど説明しましたので割愛します。

輸血の4種類については

・赤血球製剤:もっともメジャーないわゆる「輸血」。病室で見る赤いやつはこれ。赤いのはヘモグロビンの色。血液の主要成分。

・血小板製剤:僕みたいに血小板が少ない人に投与されます。血小板の色は黄色。

血漿製剤:マイナー。血液凝固因子の補充用。血漿の色も黄色(中学で習いましたよね)。

・全血製剤:大事故や災害時での大量出血に使う。緊急用。

 

 

 

そして実は、いただいた献血のうちの半分は、「輸血用」ではなく、血漿分画製剤」として 使われています。ちなみに僕はこのうちの免疫グロブリン製剤」を多用しています。ありがとうございます。これは免疫を司るタンパク質で、実はなぜ効くのかまだよく解明されていないのですが、とにかくステロイドの代わりに免疫力を調整するために使われます。

 

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下の図、わかりやすいですね。

この全血400mL献血において、白血球と血小板(2%)は捨てられて、血漿と赤血球だけが取り出されて分離されます。さらに血漿から、免疫グロブリンをはじめとする様々な血漿分画製剤が作られるのです。

 

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ちなみに、1%しかない血小板をどうやって成分献血しているかというと、こんな機械で血を採り、その後袋に貯まった血液を遠心分離にかけ、血小板だけを分離しています。

そして血小板以外の部分をまた体に戻します(返血)

 

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そして採血10分⇄返血5分を1サイクルとして、5〜7サイクル(個人差あり)を繰り返して、血小板の成分だけを取っています。

 

 

 

ではここで、輸血の種類についてもっと詳しく見ていきましょう。

さっき4種類と言いましたが、それが大嘘だと分かると思います。実は四角で囲まれた計14種類あるのです。

 

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全部説明することはできないのですが、僕が提供を受けているものだけでも説明しようと思います。

 

  • 赤血球液-LR「日赤」 RBC-LR:いわゆる「赤血球」です。400mL献血一回分(2単位)から一本作られます。(献血200mLのことを輸血1単位と呼びます)

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僕がO型時代のもの



 

  • 濃厚血小板-LR 「日赤」PC-LR:いわゆる「血小板」です。大体は10単位(20単位必要な場合は10単位を2本)、たまに20単位を使用します。

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僕がAB型時代のもの



 

よくわからんな、という方はこちらをご覧ください

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  • 照射洗浄血小板-LR「日赤」Ir-WPC-LR:超珍しいやつです。年間で病棟に一本出るかどうかというレベルで、医療従事者でも血液内科以外ではあまりお目にすることのない代物です。僕はどういうわけか、血小板の輸血を受けても全く血小板の値が上がってこないのです。原因は不明で、おそらく抗体の問題だろうとのことなのですが、先日主治医が「ものは試しだ」ということでこちらを献血センターにオーダーしました。だいぶ出し渋られたみたい(洗浄作業が超めんどくさいらしい)ですが、無事届きました。多少効果がありました。

 

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  • 濃厚血小板HLA-LR「日赤」:これが今日のミソです。HLA適合血小板輸血、というやつです。

 

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  • HLA ってな〜に???

 

ざっくり言うと、「白血球の型」のことです。赤血球の型ABOの白血球バージョンだと思ってください。

 

HLAというのは、「骨髄ドナー」「献血登録」において、その適合を見ます。

 

  • 骨髄ドナーってな〜に??

白血病患者が移植を行う際、骨髄(の中にある造血幹細胞)を提供する人のことです。骨髄バンクに登録すれば、適合次第ドナーになることがあります。実は献血ルームで簡単に登録できます。(マジでスプーン一杯分の血液と申込書記入だけで登録できます。20分弱で終わります。献血後の休憩時間に是非、献血スタッフの方にお話だけでも聞いてみてください)

 

ちなみに、現在53万人のドナーの方がいますが、全く足りません

なぜなら、赤血球の型ABOがA、B、O、ABの4種類なのに対して、白血球の型は数万通りあり、その組み合わせで適合しないとドナーにはなれないからなのです。

 

実際に、僕が当時骨髄バンクを通して移植をしたときの例をご覧ください。

 

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造血幹細胞適合検索サービスより

6抗原適合者、41人。 

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造血幹細胞適合検索サービスより

アリルと呼ばれる部分までの完全適合者、計8人。

 

めっちゃ少なくないですか?

でもこれを極力合わせて移植しないといけないのです。

この8人のうち、健康状態やそのときの状況(子育て中で入院できない等)も加味すれば、全く足りないということがわかっていただけると思います。

 

ドナー登録、ぜひ献血のついでによろしくお願いします。

 

 

・「献血登録」ってな〜に?

 

本日最後のお話です。実は「献血登録」というのをしないとできない献血というのがあるのです。しかもこれ、誰も教えてくれないんですよ。こういうところ赤十字社の怠慢やと思うんですけど。

これこそがまさに、僕がさっき「今日のミソ」と言ったHLA適合血小板輸血というやつです。

もちろん僕が頻回に受けています。実は、血小板輸血を大量に受けた患者は、普通の血小板輸血を受けても、そこにあるHLA抗体によって、輸血された血小板が破壊されてしまうのです。つまり僕は、普通の血小板輸血を受けても意味がないのです。このままでは死んでしまいます。本当に助けてください

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スマホの方はズームしてご覧ください


本当は毎日これを受けたいのですが、献血登録者数が少なすぎてできないのです。この血小板輸血だと普通の輸血よりかなり効果があり、脳出血のリスクも格段に減らせるので、マジで助けてください。よろしくお願いします。献血ルームで、スタッフに献血登録がしたい」「HLA適合血小板献血登録がしたい」とお伝えください。もちろん、登録したからといって呼び出されることはほとんどありません。さっきのドナーと全く同じ原理なので、適合する確率は数万分の1です。でも適合して呼び出されたら、それは本当にある一人の人間を救ったということになるのです。どうかよろしくお願いします。

 


4/14追記;献血登録は、成分献血を何度かした人だけが登録できるそうです。初回ではダメだそうなので、献血登録できるようになるまで、たくさん成分献血してみてください。何度かはよく分からないので、スタッフに聞いてみてください。

 

 

おまけ:輸血を受けると、、、

 

ちょっと深刻な話をしたので、最後にブレイクタイムです。

輸血(赤血球)を受けるとこんなに楽になるんだよ、というお話です。

 

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Apple Watchによる測定(歩行時平均心拍)

 

 

以上になります。

長々と書いてしまいすみませんでした。
 

 

そして途中、怒ったような書き方してしまって、傷ついた方いらっしゃったらすみません。なんか景品目当てに献血するなよみたいな言い草になってしまっていて、それは本当に誤解なのです。

 

 

僕が何がしたかったのかと言うと、ずっとおかしく感じていた輸血=献血関係、救う/救われるもの、ひいては患者/健常者関係というものについて、その世界のパワーバランスに揺さぶりをかけて、一旦フラットに戻したかったと言うだけなのです。

(上手く書けなくてすみません、僕の語彙力ではこれが限界です)

 

だから景品ガーとか、赤十字社の蒔いた餌ガーとか(これは言い方良くなかったですよね、マジで。傷付かれた方申し訳ありませんでした。僕にとって赤十字社はもう命の恩人に他ならないですし、貶めたいと言う気持ちは全くないです。その証拠と言っては何なんですが、ラブラッドHPの左上にある「ラブラッドな声」のページにも献血メッセージを無償掲載させていただいております(会員様はまたご覧くださいませ)。また京都府赤十字血液センターのパンフレットにもメッセージを採用いただきました。今月4/1より府内献血ルームを中心に置いていただいておりますので、ぜひ手に取ってみてください。さらに言うと先月病室で京都市の全区役所の献血推進実行委員会向けに病室より60分間の講演動画を撮影し、編集した上でご提供させていただきました。)

(もし他の自治体の献血推進実行委員会やそれに準ずる組織の方で動画内容が気になる場合は、京都市伏見区役所の健康長寿推進課へご一報ください。先方には本件に触れることに関して特に許可取りいたしておりませんが、僕は使用いただいて構いません。ただ有償での提供でしたので著作権は先方が保有しており、その辺は調整いただく形にはなると思います。個人によるお問い合わせは役所業務に大きく差し支えがありますから絶対に絶対にやめてください、僕が怒られます)

 

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左:ラブラッドな声(2020/09/30) 右:京都府赤十字血液センター リーフレット


 

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献血推進実行委員会様向け講演「献血で輝くいのち」


だいたい、本当にそういうのが嫌いなら、そもそも景品の紹介とかしないです(笑)

 

ただもしかすると、死に際にここまでやっているんだからちょっとくらい批判しても許されるだろうみたいな驕りが僕の中にないことはなかったかもしれないですし、その点についてはこの場をお借りして謝罪します。大変申し訳ありませんでした。

 

 

とにかく、そういう小さい部分の論争がしたいわけでは決してなくて、例えばこの世界を鳥瞰的に捉えたときに、「血液」と呼ばれる命のギフトが、あちらでもこちらでももっと活発に、そしてより愛と使命感を持って、送り手、届け手、そして僕たち受け手の間で等価交換されている世界になればいいなと、そう心から願ってやまないのです。そしてそのためには、医療という難しい分野(特に血液授受の際の個人情報取扱に関してはこの上なく厳格管理されている状況)ではありますが、その中でもできる限り広い情報公開によって、三者がお互いのことをもっと深く知り合うことが必要なのだと、そう思っているのです。

 

 

伝わらなければごめんなさい。

もっと言い方はあったと思うのですが、僕にはこれが限界です。

少しでも多くの、伝わるべき人に、このブログのタイトルの意味が伝われば、それでいいです。もう十分です。

万人に伝わるメッセージなんて存在しないのですから。

だから伝わらなければ、それも

それでいいです。

批判は大いに受ける覚悟で書きました。

スッキリした!

 

最後になりますが、本当に皆様の献血のおかげで今日も生きています。毎日毎日、暖かい血を僕に注いでいただき本当に感謝しております。いただいた命、決して無駄にすることのないよう、こうして発信することが僕の使命です。逆に言えば、皆様に支えていただけるからこそ、こうして自分の想いを言葉に乗せて綴ることができるのです。大学院に行けること、こうして文章を書けること、ひいては未来に希望が持てること、それは皆様に命を繋いでいただいているからに他なりません。この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

 

では!

おやすみなさい!!