或る闘病記

生きるって楽しい。

コドックス・エム・アイバック

 

 

え〜らいカッコいい横文字タイトルにして何カッコつけてんねん!とか思った人結構おるんちゃう?笑

 

 

分からん人多いやろなぁ。

 

ちょっと解説しますね。

 

 

 

 

 

   エム・アイバック

 

   am・I・back

 

   Oh...  am  I  back ??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何言うてんねん。

「俺戻って来たん?」て。

アホか。

どこも行ってへんわ病室にずっとおるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(麻薬のせいで頭ぶっ飛んでます、すみません)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コドックス・エム・アイバック」は、今回の治療方法の名称です。全然おもんないこと書いてすみません。自分でもおもんないって分かってるのに導入部分これしか考えつかへんかったんです。それに “コドックス” 部分、一文字も処理出来てへんやん。最悪や。何回読み直しても意味分からん。ホンマにすみません。何でも麻薬のせいにするなよ。

 

 

 

 

 以下真面目な解説です。

(この解説が真面目すぎるんで、最初にちょっとふざけたかったんです)

 

 

抗がん剤治療名って、慣例的に、使用する薬品の頭文字を取ってそのまま命名されることが多いんですよね。

 

今回の治療方法「 CODOX-M/IVAC 」は、

 

Cyclophosphamide シクロフォスファミド 

Vincristine (Oncovin) ビンクリスチン、商品名オンコビン

Doxorubicin ドキソルビシン 

high-dose Methotrexate 大量メソトレキセート 

 

CODOX-M投与を Day1からDay15まで、

 

さらにこれが終わってから

 

Ifosfamide イフォスファミド

Etoposide (VP-16) エトポシド

high-dose cytarabine (Ara-C) 大量シタラビン

 

IVAC投与を Day 1’から Day 7’まで

 

これを1クールとして2回以上(推奨3回)行います。

 

 これは米国で効果のあがった、バーキットリンパ腫白血病に最も奏功があると言われている治療になります。

 

 さらに、この抗がん剤治療を始める前のPrephase としてプレドニンの投与もありました(既に終わりました)。

 

 

何の話やねん!と言う方へ、治療の流れを分かりやすく解説すると、

 

 

 

緊急入院

プレドニン投与 [Prephase]

(CODOX-M/IVAC は非常にキツい薬剤なので、いきなり始めると腫瘍がどんどん崩れて血中に大量に溢れます。これを腫瘍崩壊症候群と言い、腎機能に重い負担がかかって、最悪の場合、人工透析が必要になります。これを避けるため、まずはプレドニンというステロイドを投与し、腫瘍を少しずつ壊していきます)

CODOX-M  [15days]

(今ここです。今日がDay6)

好中球・血小板回復待ち(骨髄抑制期間)

(neutrophil count  > 1.0×10^9/L)

(platelet count > 75×10^9/L)

IVAC [7days]

好中球・血小板回復待ち

CODOX-M [15days]

好中球・血小板回復待ち

IVAC [7days]

 

という流れです。

 

骨髄抑制 : 正常な造血細胞も抗がん剤の影響を受けるため、白血球や血小板の血中濃度が低下する。これを骨髄抑制と呼ぶ

好中球 : 白血球のひとつで、白血球のうち約6割を占める。運動性と食作用が著しい(外敵と闘う)

 

 

 ここまでで完全奏功すれば、治療は終了になりますが、そう簡単には行かないのが現状です。

 

 腫瘍を叩き切ったつもりでも、残っていたりすることも多いんですよね。

 

 そこで、治療の次に行う可能性があるのが、「造血幹細胞移植」です。

 

 これは、簡潔に言えば、前回の記事に書いた「造血幹細胞」を、移植するというものです。

 僕の造血幹細胞は、造血の途中で癌化してしまうので、正常に造血することのできるドナーの細胞を移植するのです。

 

 

 造血幹細胞移植には、大きく三通りの方法があります。

 

 ひとつは、「末梢血幹細胞移植」。

さらには、「臍帯血移植」。

そしてもうひとつが、あの「骨髄移植」です。

 

 

 

末梢血: 通常の血管を流れる、いわゆる「血液」だと思ってもらったら大丈夫です

 

 まず、最も古い「骨髄移植」について、説明します。

 

 骨髄移植とは、その名の通り、他人の骨髄液を抜き、患者の骨髄に注入する、というものです。臓器の移植であれば、そんなことをすると「侵入者やんけ!」となる場合が多いですが、骨髄移植はそのリスクが少ないそうです。(まぁ普通に拒否反応はありますが)

 

 ただ、骨髄移植は、ドナーから骨髄液を抜くというのが大変なので、なかなかドナー数も伸びませんでした。

 

 そこで画期的な方法が誕生します。

「末梢血幹細胞移植」と「臍帯血移植」です。

 

 そもそも造血幹細胞は、骨髄にのみ存在すると思われていました。ところが「臍帯血」と呼ばれる、赤ちゃんのへその緒や胎盤の中に含まれている血液にも存在することが明らかになりました。これが「臍帯血移植」です。さらに近年になり、「実は普通の人の血管内にも造血幹細胞が存在してるやないか!」となったわけです。今となっては技術革新も後押しし、献血のように普通に血を抜いて、造血幹細胞だけを取り、残りを戻す、という画期的な方法で造血幹細胞が採取できるようになりました。これが「末梢血幹細胞移植」です。

 

 

じゃあ簡単に移植できるやん?

 

 

と思いますよね、、、

 これが落とし穴です。

 

 

 

皆さんは、自分の「白血球の血液型」をご存知でしょうか?

 

(知ってるわけないやん)

 

AB型とかO型とかいうのは、実は「赤血球の血液型」なんですよね。

 

 同じように、白血球にも血液型があり、これはHLA(ヒト白血球抗原)と呼ばれています。

 

 HLAも、一般的な血液型と同様に、親から受け継がれるため、兄弟姉妹間では1/4の確率で、HLAの型が一致していると言われています。

 

 ただ。

 

僕は弟がいるんですが、多分一致してないです。それに、彼も昔手術をしているので、使えない、と。

 

 困るんですよね、、、

 

 

 HLAの型が、赤の他人と完全に一致する割合は、珍しい型だと数万分の一にまで下がります。しかしこれが一致しないことには、移植できない。

 

 

 今はHLA型の結果待ちです。怖いね〜。

 

ということで、本日僕が言いたかったのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたの血で、救われる命がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということです。

 

まずは、献血をしましょう。

僕は毎日のように赤血球と血小板を輸血されています。

 

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実は、献血された血液の有効期間は、たったの4日間なんです。

だから、常にギリギリなんです。

僕はこれがないと死にます。

どうか献血を。

 

 

 

それから、もし余裕があれば、献血ルームに行ったときに、受付でこう聞いてください。

 

 

骨髄バンクのドナー登録って出来ますか?」

 

 

 

 

 出来ます。お願いします。

京都市内は京都駅前、四条、伏見大手筋の各献血ルーム

 

追記

一応、年齢と体重に制限があります

年齢制限:18歳〜54歳

体重制限:男性45kg~ 女性40kg~

 

 

ドナー登録に必要な血液は、たったの2mLなんです。(献血と同時に、採取してくれます)

 

 

 これであなたのHLAの型が、登録されます。

 

登録だけでいいんです。

もし全国のどこかの患者さんと一致すれば、その時に連絡がきます。

 

http://www.bmdc.jrc.or.jp/pamphlet/data/inochinobaton.pdf

 

 

それから、女性の方へ。

もし子供を授かった場合には、公的臍帯血バンクと提携している産婦人科に行ってみてください。

 

https://www.bs.jrc.or.jp/kk/bbc/special/m6_02_05_saitai_teikyonoonega.html

 

 

 

 よろしくお願いします。

 

 

 もう一度言いますが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたの血で、救われる命がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一昨日は七夕でしたね。

どうかこの願いが、届きますように。

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