或る闘病記

生きるって楽しい。

Fight, again.

 

━━━     序文    ━━━━━━━━━━━

 

 

 405日ぶりに、闘病記を再開する。

 

 

 これは、白血病ステージⅣと診断された、少し気の強い20歳大学生の、或る闘病記だ。

 

 

 

 ひとつ、聞きたいことがある。

 こんな人間のことを、あなたはどう思うだろう。

 

 どうしてまた病気に、とか

 生きるの辛そう、とか

 

 確かに、そう思われても仕方ない。

 

 でも、そういう感情を持っているのなら、ここで捨てて欲しい。

 

 

 

僕の人生は、僕の尺度が決める。

 

 

 

 どうか小さな声で同情することなく、大きな声で応援してほしい。

 

 新たな闘病生活を前に、それだけを伝えたかった。

 この闘病記を再び終える日を夢見ながら、僕の生きた証を残すべく、再開する。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 6月28日に緊急入院して、一週間が経ちました。

 

 病名は、今のところ「バーキットリンパ腫」です。

 

 今のところ、と書いたのには深い理由があります。これについて話すには、まず「悪性リンパ腫白血病」というのがどのようなものなのか、それについて話す必要があります。

 

 (追記 : 僕は工学部生なので、細かいところガバガバです。医学部生さん、間違いあったら連絡してください)

 

 

 そもそも、悪性リンパ腫白血病は、骨髄腫を加えて「三大血液がん」と呼ばれています。つまり、血液が癌化する病気です。

 

 ご存知の通り、人間の体内には血液が隅々まで巡っています。この隅々まで張り巡らされている血管が、毛細血管です。血液には血漿赤血球、白血球など様々な成分があり、そのうち毛細血管から漏れ出ることの出来る血漿やリンパ球は、間質液(組織液)と呼ばれています。これが毛細リンパ管に流れ込み、合流してリンパ管を形成しています。また、リンパ管の途中には、リンパ節が存在し、ここでは何本かのリンパ管が合流し、再び流れ出て行きます。そして最終的に、リンパは鎖骨下静脈へ流入し、再び血液に戻るのです。

 

 f:id:GUCCHi:20180706094631p:image

 

  ここで、血液・リンパ液の大元となる、多能性(造血)幹細胞について、さらに詳しく書いていこうと思います。多能性(造血)幹細胞とは、白血球やリンパ球、赤血球、血小板と、何にでも分化することのできる、言わば「スーパー細胞」です。

 

 

 f:id:GUCCHi:20180706105717g:image

 

多能性の造血幹細胞は、さらに骨髄系幹細胞ないしリンパ球系幹細胞に分化し、それぞれ血液成分、リンパ成分へと成長をしていきます。

 しかし、分化する途中、何らかの原因で成熟が止まってしまい、未分化のままの何の役にも立たない細胞(芽球などと呼ばれる)が異常増殖することがあります。

 

これが、白血病悪性リンパ腫です。

 

 

f:id:GUCCHi:20180706133037g:image

 

上図のように、白血病悪性リンパ腫かという境目は、「どこまで成長した時点で分化が停止したか」で分類されるため、非常に曖昧なのです。そして僕の場合は、リンパ系幹細胞が前駆B細胞となった後、「未成熟B細胞を経て成熟B細胞となる過程」に完全なる異常が生じている、というわけなのです。これはB細胞型リンパ腫と呼ばれます。

 

 

T細胞:骨髄で生成されたリンパ球が胸腺に移送され成熟したもの。免疫反応に関与。

B細胞:骨髄で生成されたリンパ球が、そのまま骨髄内で成熟したもの。免疫反応に関与。

 

 

 B細胞性のリンパ腫には、他に「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(以下DLBCL)」と呼ばれるものもあり、病理の結果ではこちらが出ていました。

 

 つまり、僕は「バーキットリンパ腫」と「DLBCL」の中間病態であると言えます。

 

 さらに近年、「バーキットリンパ腫」は、「バーキットリンパ腫白血病」と表記されるようになっています。これは先程も述べたように、リンパ腫と白血病の境目が非常に曖昧であり、特にバーキットリンパ腫が「悪性リンパ腫に分類されながら、実際は白血病に近い病態である」からなのです。

 

 だから僕は、とりあえず病名を聞かれたとき、分かりやすいように「白血病」と言っているのです。

 

 

 

 (いや、複雑すぎやろ…)

 

 

 この小難しい話は、また追い追いしていきます。今日は入門なので、この辺までで。

 

 

 

  病状についてお話しします。

 

 ステージⅣ、と書きましたが、厳密には違います。

 

 

 そもそも、こういった類の白血病は、発症時に白血病細胞が血液を介して全身に広がっているため、ステージのような病期分類がありません。さらにバーキットリンパ腫は、週単位で進行する高悪性度に分類されるため、そのような病期分類をしたところで、ということもあります。

 

(追記:よくよく確認したら、一応病期分類ありました。ガッツリStage Ⅳ に両足突っ込んでます。医者の嘘つき!笑)

 

 ではなぜ、敢えてステージⅣと書いたのか。

 

 それは僕のPET-CTを見て貰えば分かります。

 

 PET検査とは、癌細胞が他の細胞よりも消費エネルギーが大きいことを利用して、よりグルコースを消費している部分を可視化する検査です。

 

 

 ちなみに、これが正常画像

f:id:GUCCHi:20180707044308j:image

 

僕はこれですよこれ↓

 

 

f:id:GUCCHi:20180706200742j:image

 

 すごい光ってますよね。光っている部分が、癌です。(脳は、もともと消費エネルギーが多いので、この検査では判断しきれませんが)

 

 

 

 背骨&骨盤、光りすぎやろオイ、、、

 

 

 

 

一昨日、本当に痛くてベッドの上で這いずり回って叫んだ挙句、モルヒネまで打ってもらったんですが、まぁ当然と言えば当然ですよね。

 

 

 あ、医療用麻薬って凄いんですよ。

僕みたいに24時間静注使用を続けても、麻薬中毒にならないのです。

 

いや、それにしても、めっちゃフワ〜っとするあの浮遊感、、、

大麻やったことある奴なら分かると思います)

 

 

 話が逸れました。とにかく、骨髄がここまでやられていると、普通の癌ならステージⅣ(末期)に分類されちゃうんですよね。(医師談)

 

 

 

 それから、僕は眼底に多量の出血があったり(視力かなり落ちました)、脳内の硬膜と呼ばれる部分にも癌細胞が浸潤していたりと、おそらく中枢神経もやられている可能性があります。

 

 バーキットリンパ腫白血病は、一般に、よく抗がん剤の効く病気だとは言われていますが

 

 *LDH上昇

*骨髄浸潤

*中枢神経浸潤

 

は大きな予後不良因子とされており、完全に当てはまっています。

 

 ま、どう転ぶかは、神のみぞ知る、というところですよね。

 

 今日はこの辺りにしておきます。

また少しずつ更新していきます。

末長くお付き合いくださいませ。

 

 

明日も生きます。

 

 

 

 

P.S. お見舞い結構来てくれて、本当に嬉しいです。めっちゃ元気出る。ありがとうみんな。