或る闘病記

生きるって楽しい。

Summer!

 

 

夏休み満喫中の皆さんこんばんは!

 レポートをまだ10個残した大学生が、今夜もテンション高めでお送りしていきます!

 手持ち花火でレポート全部燃やしてやりたい。

 

 金曜夜から今朝までの外泊は、とても満喫しました。36日ぶりの外出でした。家に着いて、自分の部屋に戻って、あぁ夏が来たんだ!とか思って、泣いてしまいました。

 

 今日はそんな、僕の短い「夏休み」について書くので(闘病記としては)あまり面白くないです。闘病記というよりただの日記です。まぁ普通にいいこと書いてるんやけどね。最後までお付き合いを。

 

 

 とりあえず、外泊中何をしたのか、夏休みの小学生の日記みたいに書いていきます。

 

 

 

 8月3日 金曜日!

 

 17時に終わる予定だった輸血が19時まで伸びました。おかげで高校の担任に会う約束してた予定が吹っ飛びました。悲しい。

 

 19時に病院を出て、帽子を買いに行きました。ニットやと暑いし、キャップやと禿げてるん見えるし、どうしようかなと思ったら、意外と自分がハット似合うことに気付きました。そんな感じの人河原町にいっぱいいるやんって親に言われました。それ褒めてるんかな。

 

 

 帽子買ったあとは公開初日のミッション・インポッシブル/フォールアウト見ました。個人的に、今作はシリーズ史上最高やと思います。大満足。夜中の2時に帰宅。

 

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8月4日 土曜日!

 

 取り敢えず毎日病院に戻ってバイタルチェックしないといけないので、戻りました。マイカーのRX-8を久しぶりに病院まで運転してあげました。

 

病院で2時間輸血した後、陸上をちょこっと教えさせてもらってる高校に、恩師と生徒達の顔を見に会いに行きました。暑すぎて倒れそうやったデ。

 

 お昼は、高校時代の先輩後輩達とポムの樹でオムライスを食べた後にカッコつけて奢りました。逆、逆。俺が奢られる方やって。あいつら当たり前みたいな顔しやがって!(悪口)

 

 

 

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 おやつに鎌倉パスタ食べて、(食べすぎ)

 

 それから高校時代の同級生3人で河原町でタイ料理食べに行きました。熱帯食堂ってとこです。むっちゃ美味しかった〜。タイのビール美味いな。40日ぶりの酒、ホンマに泣きそうになった。

 

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 酔いを醒ましに鴨川納涼も満喫しました。今年初めてのお祭り。

 

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 土曜日の最後は、中学時代の友人とドライブしました。サプライズで友人父のランボルギーニにも乗せてもらいました。阪神高速8号を最速270キロ。オープンカーなので髪の毛なくなるかと思いました。お値段3500万円。素晴らしいよね、獣のようなV12エンジンのサウンド。動画もあるけど自主規制(笑)

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 (画像は友人のインスタ拝借しました。カッコ良すぎ。シザーズドアと言って、ドアが上に開きます。)

 

 

 

 

8月5日 日曜日!

 

朝5時に起きて洗車しました。洗車職人の朝は早いよ。ピカピカです。近所迷惑。

 

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 そのあと病院に戻ると、同じ車が!

僕は考え方が小学生なので隣に停めます。

 

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こんな感じでアホなことしてたら、病室に戻る手前で、案の定、元気よく嘔吐しました。まぁ5時に起きて洗車した後に朝飯たらふく食べたら誰でも吐くよね(今日この件で看護師さんにメッチャ笑われました)

 

ということで、体調の悪さと相談して、泣く泣く日曜日の予定を全てキャンセルすることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というのは嘘です。

 葛藤。

 

〜 俺の脳内 〜

 悪魔「ここで予定キャンセルせず体調壊したとしても、後悔するのは1日だけ。キャンセルしてしまったら、次の外泊まで1ヶ月後悔するわよ。」

 天使「遊べよバカヤロウ!」

 

 

 

 ということで、主治医が当直じゃないのをいいことに、サラッと病院を後にしました。遊びます。

 

 

 

 

 お昼は、高校の後輩達とラーメン。四条烏丸にある「すがり」です。美味しかった。そのあと、足りずにマクド。(食べすぎ)(そんなんするから吐くねん)(またカッコつけて奢る)

 

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 で、お次はずっと見たかった劇場版「コード・ブルー」。今回の外泊でいちばん楽しみやったやつです。もちろんドラマはシーズン1から3まで全話見てますよ。

 

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 いやぁ、素晴らしかった。確かにストーリーは物足りない部分もあったけれど、総合的に良かったです。やっぱり、患者にしか分からないことってあるんですよ。このコード・ブルーは、その繊細な部分をちゃんと描いてくれてるんです。だから、どうしても人一倍、感情移入してしまうんですよね〜。感想は後ほど。

 

 

 さて、そのあと、コード・ブルーに付き合ってくれた友人と美味しいアイス食べて、入院中読む用の本を探しに書店をウロウロして、最後は居酒屋で飲みました。美味しすぎて写真撮ってないんやけど。鱧の天ぷらと辛口の日本酒、最高。The・京都の夏。

 

  夜の帳も降りたので、河原町付近まで親父のオープンカーで迎えにきてもらって、酔いをさましました。

 

 

 絵に描いたような夏休みじゃない?笑

みんな俺のワガママに付き合ってくれて本当にありがとう。幸せ者です。

 

 

 ちなみに、そんなふうに2日間遊びまくったせいなんか、よく分からないんですが、今日は朝から体調崩しまくっててヤバいです。担当医曰く「バカヤロウ」。

 

 

 

 

  ここまで闘病記らしいこと一切書いてないんで、コード・ブルーの名言でも書いときます。

 

 

 

 

 

 

 

「大切な人間に、胸を張って大切だと言えることが、いかに尊いものなのか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山Pが言ってました。

 

想いは、言葉にしたって半分も伝わらないんだ、と。

まぁ、あそこでボロボロに泣いちゃいましたね。

(というか、山Pのセリフの後にミスチルHANABIが流れたら、どんなセリフでも感動的になるんですよ。仮にセリフが「食いしん坊、万歳!」でも、直後にHANABIのイントロ来たら、泣けます)

 

 そろそろ脱線してきたんでやめときます。

 

(「お前がふざけて書いてるやつ、元気なのはいいけど半分くらいスベってるぞ」って友人に怒られました。知ってます)

 

 

何の話やっけ、

 

 

そう、想いなんてものは、いくら言葉にしたって、そのまま伝えられるなんてことはないんですよ。

 でも、全て伝わらなくてもいいと僕は思うんです。

 言葉のほんの一部分だけが、伝わればいい。そう思います。

 ほんの一部分だったとしても、人を大きく動かすことはできる。言葉には、そういう力があるんです。

 

僕が闘病記を続ける理由は、ふたつ。

 

ひとつは、今そして未来の自分を、何らかの形で救ってくれるものであるから。

 

 そしてもう一つが、言葉に想いを乗せて伝えることで、何かが変わる気がするから。

 

 だから、どれだけ拙くても、表現しきれなくても、とにかく自分の言葉で、自分の想いを見えるようにする。伝えるようにする。

 

 あるいは、それは今の僕に課された使命のようなものなのかもしれないのです。

 

 あと何日、何週間、何年生きることができるのか、そんなこと誰も知らない。けれども、病人であろうがなかろうが、人はそもそも、「限られた時間の中」を生きているんです。

 

 「伝える」ということに必要なのは、語彙力でもなければタイミングでもない。

 

 限られた「一生」のなかで、少しでも多くの想いを届けたい、ただそういう気持ちだけでいいんです。伝える場所とか、方法とか、そんなの二の次でしょ。別に、それ自体が綺麗な形をしてなくても良くないですか? ぐちゃぐちゃのままでも、とりあえず伝えてみませんか?

 

明日やろうは、「バカヤロウ」です。

いつのまにか大人になって、いつのまにか素直に表現することを忘れた、全ての人達へ。

 

 

 

 

 

 体裁は気にしなくていい。伝えられるときに、ちゃんと伝えた方がいい。

 

 

 

 

 

 

 帰宅できたので、久しぶりにピアノを弾いてみました。夏といえばこの曲ですよね。ぜひ、あなたの小学生時代の夏休みを思い出しながら、聞いてみてください。

 

 純粋に想いを伝えられた、あの頃の気持ちを忘れることなく、また来年も夏を過ごせますように。

 

 それでは。

 

 映画「菊次郎の夏」より久石譲作曲、「Summer」。

 

youtu.be

 

 

B-ALL

 

 皆さんこんばんは!

 僕はここ1ヶ月で体重が9キロ落ち、再び腹筋が綺麗に割れてきました! ライザップ! 

 

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 ちなみに京大病院のリハビリルームには InBody770 とかいう超お高い体組成計があります。

 

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こちらの機械、お値段税込330万円です。 330万円ですよ!

 

 というわけで計測してもらいました。結果はこちら!

 

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体重52.1kg に対して 筋肉量 45.3kg、

体脂肪率は7.8%でした! 骨格筋率51%!

割と優秀やんけ!

(体型評価は「筋肉型スリム」でした。細マッチョって書けよ。)

 

まぁでも序盤です。夏本番に向けて、ここから仕上げていきます。腹直筋と大胸筋と広背筋メインでいきます。

リハビリルームでV字腹筋とか懸垂とかしてるやつがいたら僕です。ほっといてください。

 

 

さてさて。

 

 正式に病名が決定したので、これ以降は現在の病状と共に(割と真面目に)お伝えしていこうと思います。

 

 以前の闘病記の記事では、僕の病気は「バーキットリンパ腫」だと書きました。「バーキットリンパ腫」というのはある程度成熟したB細胞が癌化して起こるものです。

 

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 一方、それより手前の若い状態で癌化している場合は、「リンパ腫」ではなく「白血病」になります。どうやら僕は「白血病」みたいです。

 ま、どうせなら「白血病」の方が名前カッコええやん(笑)

 

 

 詳しくは過去の記事をどうぞ。

fight.hatenablog.jp

 ↑        ↑        ↑

 

 

 

ちなみに、病理検査の結果はこんな感じでした。

 

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「再構成を認めない」

 

 「遺伝子再構成」とは、抗体の遺伝子(免疫グロブリン)の組換えのことです。今から猿でも分かるように説明します。

 

 

〜猿でも分かる! これが「遺伝子再構成」〜

 

 そもそも、外界から侵入してくる病原体は無数に存在しているにもかかわらず、どうして私達はそれらに対抗する「抗体」を用意することができるのでしょうか。この鍵を握るのが、「遺伝子再構成(遺伝子再編成)」です。

 

 

遺伝子の再構成について話す前に、まず順を追って「B細胞」から話します。B細胞のBは “Bone marrow” 、すなわち「骨髄」からきています。B細胞は血液中を流れる白血球のうち「リンパ球」と呼ばれるもののひとつで、骨髄で作られます。リンパ球のおよそ20〜40%を占めます。

 

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 B細胞の主な働きは、「外敵(病原体)と闘う抗体を作ること」です。このとき、ひとつのB細胞ではひとつの抗体しか作れないので、抗体の遺伝子を組み替えて病原体に備えます。これが「遺伝子再構成」で、これにより数億種類の抗体を生産することが可能になるのです。

 

 

 さらに具体的な話をすると、B細胞の表面には「病原体」を認識する「抗原レセプター」があります。これが 「免疫グロブリン」です。つまり「免疫グロブリン」は、ひとつに対して一種類の病原体しか認識できない、ということになります。そこで「免疫グロブリン遺伝子」の「遺伝子再構成」によって、様々な種類の免疫グロブリンを産み出し、数ある病原体に対抗してやろう、というのが「遺伝子再構成」の趣旨なわけです。

 

 ちなみに、この「遺伝子再構成」のメカニズムを解明したのが、かの有名な利根川進博士で、1987年にノーベル賞を受賞しています。この発見は、20世紀最大の生物学的発見と高く評価されています。もちろんもちろん京大卒です。

 

 

さらに余談ですが、B細胞の一部は「記憶細胞」として残ることも知られています。一旦病原体を退治した後も、一部のB細胞は記憶細胞として残り、次回同じ病原体が侵入してきたときに素早く攻撃できるように備えているのです。これが、いわゆる「免疫が付く」というやつです。有名な話ですね。予防接種も、この免疫記憶を利用していますが、これはB細胞由来の話だったということですね。

 

 

 さてさて。このへんで話を戻します。

 

 

「再構成を認めない」とはどういうことか。

つまり、僕の癌化したB細胞の表面にある「免疫グロブリン遺伝子」に、再構成は見られなかったよ、ということです。

 

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 免疫グロブリン遺伝子の再構成は、B細胞の成熟(分化)と共に数段階に分けて起こります(この部分はマジでノーベル賞級に難しいので割愛します)。そして、その数段階のどれも起こっていなかったよ、ということなんです。つまり、癌化したB細胞は若かった。ということは、成熟B細胞の癌化によって起こる「バーキットリンパ腫」ではなく、さらに若い段階のB細胞性の病気である、と結論付けられるのです。

 

 

 

 すると病名はこうなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「急性リンパ性白血病

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えらいカッコええ名前やんけ(笑)

 

 

 

ちなみに、もう少し病名を具体的に言うと、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ph(-) B-ALL

 

 

フィラデルフィア染色体陰性・

前駆B細胞性急性リンパ性白血病

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もっとカッコええやんけ(笑)

 こんなカッコええ病名ある?

 

 

 

 

 

注: フィラデルフィア染色体

9番染色体と22番染色体の相互転座によって形成される異常染色体。これが陽性(存在)の場合、長期無病生存率は10%と言われている。急性リンパ性白血病においては15〜30%の患者にみられる、最大の予後不良因子。陰性やったし取り敢えず安心。

 

 

 

  ということで、「バーキットリンパ腫」じゃなかったので、この前言ってた「CODOX-M/IVAC療法」はCODOX-Mを終えた段階で一旦打ち切り、次の治療に入りました(じゃあ、このCODOX-Mは無駄だったのか? というとそうでもなく、リンパ腫であれ白血病であれB細胞性であることに変わりはないので、しっかり効いてくれました)。

 

 新しい療法名は、「B-ALL 213」です。

 

 (えらいカッコ悪い名前やんけ)

 

 

ちなみに、このB-ALL 213 (正式にはJALSG Ph(-) B-ALL213) 、つい2年ほど前まで国内臨床試験での安全確認が行われていたほどの新しい療法で、まさに最先端の医療って感じです。

 

使用する主な薬剤はキロサイド、エトポシド、デキサート、ロイナーゼ あたりです。

 

 僕はこれまでの治療でCR(Complete remission, 骨髄の完全寛解)が得られたので、ここからB-ALL 213のレジメンに従って数ヶ月間の地固め療法に入り、骨髄移植を待ちます。

 

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 とりあえず治療は上手く進んでいます。寛解導入療法は今週で終わりなので、とりあえず何日間か家に帰れるかな〜。湯船に浸かりたい!

 

 7月の空気を吸わずに7月最後の日を迎えました。とりあえず今週頑張ろ。週末何しようかな〜。

 

 

まだ生きてるぞ〜(笑)

 

 

 

最後に利根川進博士の言葉を。

 

捨てることが、熱意を生み出す。

人生にとって最も大切なのは、その時々の何が最も重要な事柄であるかをよく考え、そこに全エネルギーを集中させ、その他のことは切り捨てること。

何をやるかより、何をやらないかが重要だ。

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 おやすみなさい!

 

謝謝!

皆さんニーハオ!(僕は中国語を2年も取ってたので「ニーハオ」が喋れます!)

 

ニーハオとシェイシェイ以外は忘れました!「皆さん」って何やったっけ。

 

 俺に単位くれずに中国語もう1年再履修させてくれた教授、謝謝!

 

 さてさて。

 

 この「或る闘病記」、なんとなんと今月のアクセス数が2万回を超えました! いや1日700回もアクセスあるん? 俺そんな頻繁に更新してへんって。誰やねん何回もアクセスしてる暇なやつ(笑)

 

(たまに「ブログって収益化してるん?」とか聞かれるけど、そんな方法あるんやったら教えてくださいよって感じです)

 

 とりあえず今月は2万回もアクセスがあったので当人はとても喜んでます。これがどれだけ凄いかと言うと、僕の母校であり(自称)奇跡の進学校でもあるH川高校のHPよりアクセス数が多いです。H川高校のアクセス数はせいぜい1日500回です。校長先生マジでもうちょっと頑張ってください(笑)

 

 

 いやでも嬉しいな〜、これは。本当にありがとうございます。

 

 

 

 そしてどうやら、真面目に調べて3時間かけて書いた記事よりも30分でふざけて書いた記事の方が人気なんですよね。世の中ちょろいなぁ。

 

 というわけで、今日もふざけた記事なんで脳味噌チンパンジーのままでよろしくお願いします!  猿の人は頑張って付いてきてください!

 

 

 

 

 本日のお題はこちら!

 

 

 

 

 

 

 

 

「日本における医療保険制度ならびに入院時の高額諸費用に関する問題についての考察」

 

 

 

 

 

 

です!

 

 

 

 

 

チンパンジーでも分かるように言うと

 

 

 

 

 

「何で京大にこんなお金払わなあかんねんボケ!」です。

 

 

 

 

 

 日本は1961年に国民皆保険制度を導入し、すべての国民は何らかの公的な医療保険に加入することが義務付けられています。これにより、医療費の自己負担額は3割(6歳以下ないし70歳以上は2割、75歳以上は1割)となりました。いわゆる「3割負担」ですね。

 

 ところが、負担額3割になるのは医療費だけなんです。個室代(差額ベッド代)や食事代等は10割負担なんですよね。

 

 さてチンパンジーでも分かるように、つい最近いただいた僕の先月の請求書をお見せしましょう。

 

 僕は6月28日に入院したので、6月分の請求というのは、6月28〜30日までの3日間の入院費用ということになります。

 

 

 さぁ、3日間の入院費は、一体いくらでしょう?

 

 A. 3万円

 B. 5万円

 C.10万円

 

 

 

 

 

 

 正解はこちら!

 

 ドン!

 

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19万3,560円でした! 全員ハズレ!!!

(ちなみに3割負担額+個室代・食事代等がこれで、実際の総医療費は51万3,980円です! 7割分の差額32万円は税金で支払われます!)

 

いや、それにしても3日間で20万って何やねん!

ここはホテルオークラかな?

 

 

 しかも写真よく見てください! 京大生やと分かると思うんですけど、入院費の振込用紙が学費の振込用紙と同じなんです。振込先はもちろん「国立大学法人京都大学」ですよ。なんで京大に3日で20万も払わなあかんねんボケ! 

 

(ちなみに我が家は京大に既に学費として200万、医療費は300万くらい納めてます。私学かよ。そら総長ゴリラ呼ばわりしてもバチ当たらんやろ!)

 

まぁ個室代1日1万8,000円(10割負担)ってのも高いっちゃ高いんですけど、世の中にはもっと恐ろしいものがありまして。

 

 

 「抗がん剤」ってやつなんですけどね。

 これめっちゃ高いんですよ。

 

 

例えば僕の使った抗がん剤で言うと、

 

オンコビン                 1mg            2,826円

ドキソルビシン        50mg            4,968円

メソトレキセート         1g       4万1,081円 

リツキサン                 0.5g     21万3,815円

 

などなど。

 

 いやまぁ命はお金に変えられへんけどもね!!

 

 

 

例えば僕の場合、メソトレキセートは7月13日に4,768mg 使用したので、たった1日だけで19万6,000円です(笑)

 

リツキサンは7月19日に600mg使用したので、これは1日で何と25万7,000円になります(笑)

 

 

 いや600mgで25万円って頭おかしいやろ!

 コカインでも1gで2万円くらいやぞ!

 全然、麻薬の方が安い!

モルヒネは1本5,000円、今使ってるフェンタニルは1本1,000円くらいです)

 

1gで40万円やと、金とかプラチナなんてレベルじゃなくて、プルトニウムあたりの値段ですよね。オンコビンに至っては、1g換算すると300万円ですよ!

 

 

 ちなみに、輸血も恐ろしいほど高くて、例えばこの血小板1袋、2時間で滴下するんですが、いくらでしょう?

(みなさんの献血で作られたやつです)

 

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正解は、1袋で7万9,478円です!

ルイ・ヴィトンの財布が買える!

そりゃ、落とした研修医を怒りますよ〜

ルイ・ヴィトン落とされて怒らへん人います?

 

 

これを1日2本とか3本とかやってます。

 

 

 今月の請求恐ろしいなぁ、、、

 

 

 

 

 

 

と、こんな感じで書くと「どうやって払うん?」みたいになると思いますが、ここから紹介するのが「これぐらいで勘弁したるから払ってくれや!」制度です。

 

よく知られた「高額療養費制度」ってやつですね。

 

 被保険者(親)の年収が1,160万以上なら1ヶ月の上限は25万円強、770万〜1,160万なら17万円弱くらいにしてあげるよ〜、みたいな感じです。

 

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 しかも、4ヶ月目以降からは更に安くしてあげるよ〜って感じになってます。これなら払えるね。

 

 でも、「安くしてあげる」というのは、「あとで返してあげるよ」って意味です。だから、京大にはどのみち何十万円、何百万円って払わないといけないんですけどね。

 

 (払えない人のために、無利子でお金を借りれる制度も存在します)

 

 

その他にも、20歳以上なら障害年金が貰える可能性もあったり、入院保険が意外と降りたりして、結構助かってます。(入院保険はホンマに元取ってるんちゃうかな)

 

 

 とまぁ、日本の高額医療費の現状と、医療費制度の紹介でした! 入院するときは参考にしてね!

 

 

 病名が新しくなって確定したので、また後日紹介します! それでは今日はこの辺で!

 

 

僕はみんなの税金と社会保険料で生かされてます!

今月の総医療費は200万円くらいかな!

払ってくれてありがとう日本!

謝謝!

 

 

 

ウホウホ、ウホ!

 

 「お前の闘病記難しすぎるねん!」

 「病気について書いてくれてるのも嬉しいけど、もっと入院生活についても書いてよ!」

 

 などなど、数々の苦情が山のように寄せられている本闘病記ですが、今日は期待に応えてゆる〜く行きたいと思います!

 

 

 

 お見舞いに来てくれた人は分かると思うんですが、僕は結構元気にしてます。多分祇園祭の中、死んだ魚の目で居酒屋バイトに勤しむ大学生よりは元気です。

 

 

 どれくらい元気かというと

 

 ・もらったお見舞いの品で看護師さんを餌付けする

 ・患者さんとオールスターゲームを見ながら「松坂ふざけんな!」とヤジを飛ばす

 ・患者さんと仲良くなってアイスを4つ奢ってもらう

 ・研修医に大声でブチ切れる

 

くらいには元気です。

 

 

 

 研修医にブチ切れる?

 

 いやぁ久しぶりにキレましたね(笑)

 

 

大学病院には、研修医制度というのがあって、医学科を卒業して医師国家試験に合格した医者達が、初めの2年間ほどを、数ヶ月単位で様々な科を回りながら 経験を積んで行くんですが。

 

 

 今回の入院で付いてる研修医、ひどい。

 

 

 どんな感じかというと、イカ京(いかにも京大生、の略)で、小太りの眼鏡、無精髭、ちょっと臭う、みたいな感じで、別にそれはいいんですけど、

 

 コミュニケーションは最低限、輸血で血を撒いてベッドを汚す、輸液のポンプの使い方知らんのに勝手に触る、俺の血管めっちゃ太いし簡単やのにライン取るの失敗する、失敗した挙句血を撒いてベッドを汚す、もちろん血管は使えなくなる、使えなくなって腫れてるのに「抗生剤打ってるので大丈夫です」とか言う、中心静脈カテーテルも入れるん失敗したのに何も言わへん、あーもう挙げたらキリがないねん。

 

 ほんで昨日ですよ。奴はやりました。

 

 輸血の血小板を落としたんですわ。

 

 マジで。

 マハトマ・ガンジーでも助走付けて殴るよ。

 

 

 大部屋で、自分でも驚くほど大きな声で

 

 

ふざけんな!

 

 

って叫びました(笑)

 

いや、前にもそんな置き方したらあかんって先輩から注意されてるやんけ。

 俺が年下やからってなめてんのか。

 輸血の意味分かってんのけ?

 善意で献血してくれてるんやぞ。

 だいたい、俺はこれがなかったら死ぬんや。

 お前が血小板を落とすっていうのは、俺の命をぞんざいに扱ってるも同然なんじゃ。

 白血病のステージⅣって診断されて、それでも生きるって決めて、それやのに研修医にそういう態度で臨まれる、そんな患者の気持ちちょっとでも考えたことあんのけ?

 適当に医者やるんやったら今日で辞めてくれ。

 血小板落としただけとか思ってるんやろうけど、そういう態度でやってると、いつか死人が出るねん。

とにかくもう帰れ!

 

 

 みたいなことを言いました。

 至極真っ当じゃないですか?

 

 

 (僕がキレるのは倫理的な問題がある時と文化祭の時くらいです。)

 

 

 

 まぁでも、いくら年上とはいえ、言わないといけないことはキッチリ言うべきです。

 

 

 

 は〜 ストレスストレス〜

 

 

 

 

 僕は何とかしてこのストレスを取り除かないといけないな、と思いました。

 

 というのも、癌の主たる原因はストレスによるDNA修復異常あるいは染色体異常だと言われているからです。

 

 どうしようかなぁ。

 

 

 そんなとき、あるものが目に飛び込んできます。

 

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 マッサージチェア

(病棟にあるんですよね。血液内科の特権です)

 

 ウィンウィン〜。

 

 

 

 

 

 

 

いやこんなもんでストレスほぐれるかい!

 

 

 

そんな簡単にストレスほぐれるんやったらWANIMA聞いて癌が治るぞ!

 

(WANIMAファンの皆さんホンマにすみません)

 

 

 

 

 ストレス解消は運動に限る!

 

 こっちやろこっち!

 

 

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エアロバイク〜

 

これで一汗流すぞ〜

 

(このあと無茶苦茶漕ぎました)

 

 

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あのクソ野郎!と思いつつ、

 

100W・毎分100回転で

 

30分間で15km 漕ぎました。

 

時速30kmですよ。

 

 

想像してみてください。

 

白血病患者が、腹いせに時速30kmで汗まみれになりながらバイク漕いでる姿。

 

瀬戸内寂聴でも「もう辞めなさい!」って言いますよ。

 

 周りの患者さんも看護師さん達もドン引きしてました(笑)

 

 担当医は「おいおいヘモグロビン健常者の半分やぞ〜」って笑ってました。

 

主治医に15km漕ぎましたって報告したら白目剥いてました(笑)

 

そらね、単純に言うたら酸素運搬能力が常人の半分ってことですからね。アホかよ。

 

 

 

 

 

 さてお昼ご飯の時間です。

 

 昨日のお昼はなんと!

 

 

 

 

 

 

 

 

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 握り寿司!

 

 しかもイクラとアナゴがある!

 

 これには山極寿一(京大総長)もビックリですね!

「ウホウホ!ウッホホホ!(なんで京大の食堂には寿司ないのに病院にはあるねん!)」とか言いそう。

 

 馬鹿にしてるわけじゃないですよ。山極さんはマジでゴリラと何年も生活してたのでゴリラ語が喋れます。ただのゴリラです。

 

 

 何の話やっけ。そう、お昼ご飯は握り寿司でした。

 

 夜のメニューが怖い。

 

 いやぁ、こういう時って、世の中の暗黙の了解みたいなのがあって

 

「お昼いいもん食べたんやから夜はお野菜ね!」

 

 のお決まりな感じなんですよね。

 

 さて夜のメニューを見てみましょう、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ヒレカツぅ!

 

 そろそろ山極寿一がアップを始めそうです。

 

 

 

ふざけ出すと止まらないので、偉い人が来る前にこの辺で辞めておきます(笑)

 

 

 最後にお知らせを。

 

 昨日HLAの型がでました!

白血球の型、のやつです。

(分からない人は過去ブログ読んでね)

 

 

 

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じゃん!

 

 HLAには座(遺伝子座)とよばれる領域があり、このうちA座、B座、C座、DR座の4座8抗原の一致が骨髄移植には重要だと言われています。

それからアリルと呼ばれる対立遺伝子もあって、、、

 

 

 あ、あかん。

 今日はゆる〜く行くんやった。

 説明省略〜。

 

 

 とりあえず出てきた結果を「造血幹細胞移植サービス」の検索にぶち込みます。

 

ドナー数、36万人いるし大丈夫やろ!

 

 えい!

 

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2人やんけ!

 

36万人もおって2人かよ!

 

まぁおったしええわ!

 

(分かったやろみんな! 意外とおらんねん! だから骨髄ドナー登録してな!)

 

 

 

 それでは今日はこの辺で!

 

 

 ウホホウホ〜(おやすみなさい〜)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dogma ードグマー

 

ドグマ。

 

日本語では、教義・教条などと訳されます。

固定された堅固な信条のことです。

 

 

 生死の境で生きる患者達には、あるドグマがあります。

 

 

 

それは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 病とは、不幸そのものではない」

 

 

 

 

 

 

 

というものです。

 病によって、気付かされることが沢山あることを知っているからです。

 僕にとっての病とは、”幸福な試練” です。

 自分がどう生きてきたのか、どう生きるのか、それを試される時間です。

 僕がもし恵まれぬ生き方をしてきたのなら、この試練も不幸なものになったのかもしれない。

 でも僕は、20年間を通して、数多くの尊敬できる人々や、支えてくれる仲間達と出会ってきました。

 それが、この試練さえも、むしろ幸福な時間にしてくれるんです。

 毎日のように誰かが来てくれて、たわいもない昔話で馬鹿笑いして、帰って行く。

 その度に、幸せだなぁ、と思うんです。

 このドグマは、おそらく生死の境を生きる者にしか理解しえないでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて。

ドグマはドグマでも、今日は生きとし生けるものに授けられた、あのドグマの話をします。

 

 

そうです。

セントラル・ドグマの話です。

 

 

 

 生物選択者ならずとも、一度は耳にしたことがあると思います。

 

 

 

 セントラル・ドグマとは、1958年にフランシス・クリックにより提唱された、分子生物学の大原理のことです。

 

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 大雑把に言うと、私達の身体を構成するあらゆるタンパク質が、DNAを基に、RNAを介して生成されている、という一連の流れのことです。

 

 私達の身体は、約60兆個の細胞で形成されています。その細胞の集まりが組織(例えば筋肉)であり、組織の集まりを器官(例えば心臓)と呼んでいます。

追記: なんか2013年に試算されたらしく、学術的には人間の細胞数は37兆個とされてるらしいです)

 

 つまり細胞は、身体の構成要素の根幹とも言えます。

 

 (何でこんな噛み砕いてんねん舐めんなよって方へ、後で後悔するレベルで難しいこと言うんで最後までついて来てくださいね!)

 

 

 f:id:GUCCHi:20180714114133g:image

 

 

 細胞のうち70%は水分で形成されています。そして次に多いのが、タンパク質です。このタンパク質こそが、その細胞の性質を司っています。

 

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 タンパク質は、細胞内で作られます。つまり、このセントラルドグマ(DNA→RNA→タンパク質)は、細胞内での話なのです。

 

 因みに、セントラルドグマは、提唱されてから60年で変遷を遂げ、現在はこんな感じになってます。これについて話すと無茶苦茶時間かかるのでやめます。今日は「複製」だけについて書きます。

 

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私達の細胞は、分裂を繰り返すことでその数を増やします。この時、細胞内のDNAも、分裂前と同じものを受け継いでいます。これをDNAの複製と言い、細胞は、分裂前に一揃えのDNAをコピーすることで2倍に増やしてから、分裂の際にそれぞれの細胞へと同じDNAを格納しているのです。

 

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まぁ大学受験で生物選択した人は何てことない話ですよね。ここは重要じゃないんで飛ばします。実を言うと僕もよくわかりません。

 

 

 でも最初はたった1つの細胞から始まった私達の身体が、こんなセントラルドグマを通して60兆個の細胞に発展していくの、凄いですよね。

 

 

 

 さて、ここから今日の本題です。

 

 

 

 このセントラルドグマ、普通にミスるんです。

数字で言うと、「複製」を10億分の1の確率でミスります。

 

 60兆個も細胞あるのに10億分の1でミスるの、結構ヤバくない?

 

 2017年のNature誌に掲載された米国チームの研究によれば、癌を引き起こす原因の3分の2近くは、このDNAの複製エラーによるものであるとされています。

 

一方で、この複製ミスによって出現したエラー細胞も、殆どは「死滅」という道を辿る、というのも事実です。この細胞の死は「アポトーシス」と呼ばれ、予め遺伝子で決められたメカニズムによって半ば自殺的に細胞は死滅するのです。こうして、古い細胞は新しい細胞と入れ替わっていくのです。例えばオタマジャクシの尻尾が消失したりするのも、その一種だと考えられています。

 

 ところが、稀に、複製エラーによって「アポトーシス」のプログラムがなくなり、「自殺」できなくなることがあります。こうなると細胞は増殖だけを続け、薬剤で死滅させない限り身体のエネルギーを奪い続けます。

 

これこそが、癌です。

 

 

 為になる話ですね〜(自分で言うなよ)

 さらに専門的になるんですが、最後まで読んでくださいね、、、

 

 

 じゃあお前も複製エラーなん?

 と思ったそこのあなた。

一昨年の癌は、複製エラーです。正解です。

ところが今回は、複製エラーではありません。

 

今回は、「転座」です。

 

 

てんざ〜

 

 

 

転座とは、いわゆる「染色体異常」です。

 

ここで「DNA」「染色体」「遺伝子」の3つがこんがらがってきた人も多いと思うので、整理します。

 

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塩基対の持つ情報を遺伝子、塩基対を介して2本のポリヌクレオチド鎖が二重螺旋構造を取っているものがDNA、このDNAが折りたたまれたものが染色体です。

 

 そしてDNAの複製エラーが癌、

 染色体の転座が白血病なのです。

 

(厳密には違います。こういう言い方すると偉い人が飛んできて怒るかなぁ)

 

 次に、「転座」について詳しくみていきます。

 

 

 みなさんご存知の通り、人間には1番染色体〜22番染色体と、X染色体・Y染色体の合わせて46本の染色体が存在します。

 

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 この46本の染色体のうち、いずれか2本が途中で交換されてしまうのが、「転座」です。

(どうして転座が起こるのかは、未だに分かっていません)

 

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 転座が起こった異常な染色体が、セントラルドグマの中に組み込まれて転写・翻訳されることで、異常なタンパク質が生成され、異常な細胞となる。これが白血病やリンパ腫のメカニズムだと言われています。

 

例えば、「バーキットリンパ腫」の場合は、その80%において、8番染色体と14番染色体の相互転座によってB細胞に発癌します。

 

 f:id:GUCCHi:20180714133932p:image

 

具体的には、免疫グロブリン重鎖(IGH)遺伝子とC-MYC遺伝子の切断によるものです。

 

 

これによりC-MYC遺伝子が過剰発現している状態が、バーキットリンパ腫/白血病の特徴だと言われています。

 

 ところが。

 

僕の場合は、その80%に入っていませんでした。

 

つまり、8番染色体と14番染色体の相互転座は見られなかった、しかしながらC-MYC遺伝子は過剰発現していた、ということらしいです。

 

「なんでなんですか?」

 

って主治医にも担当医にも聞きましたが、「分からん」って言われました。おそらく、バーキットリンパ腫/白血病と、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の中間に位置する病態だからかな? もう研究の領域だそうです。

 

 研修医にも聞いてみようかな〜(笑)

 

 

ここまで読んでくれた皆さんは、多分バーキットリンパ腫白血病について、担当研修医(京大医学部卒)より絶対詳しくなりました。

 

 

 最後に。

 

よく聞かれるんですよね、「今回の病気と前の病気、関係あるん?」って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ないです。

京大病院によるカンファレンスの結果、結論は「関連性なし」でした。

 

そもそも、抗がん剤を使用したことによる二次性の急性白血病なら、B細胞性ではなく骨髄性のものになるとか何とか。

 

 「論文も沢山漁ったけど分からん。ここまで来ると研究の領域やね」と言われました。

 

 

いや、前の病気100万人に1人、

今回も100万人に1人

単純計算したら1兆人に1人やぞ!

 

 

何やこれ!

宝くじ買おかな!

 

 

という今日の闘病記でした!

難しかったですね!

最後まで読んでくれてありがとうございました!

また更新します!

さよなら!

 

 

 

 

 

コドックス・エム・アイバック

 

 

え〜らいカッコいい横文字タイトルにして何カッコつけてんねん!とか思った人結構おるんちゃう?笑

 

 

分からん人多いやろなぁ。

 

ちょっと解説しますね。

 

 

 

 

 

   エム・アイバック

 

   am・I・back

 

   Oh...  am  I  back ??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何言うてんねん。

「俺戻って来たん?」て。

アホか。

どこも行ってへんわ病室にずっとおるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(麻薬のせいで頭ぶっ飛んでます、すみません)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コドックス・エム・アイバック」は、今回の治療方法の名称です。全然おもんないこと書いてすみません。自分でもおもんないって分かってるのに導入部分これしか考えつかへんかったんです。それに “コドックス” 部分、一文字も処理出来てへんやん。最悪や。何回読み直しても意味分からん。ホンマにすみません。何でも麻薬のせいにするなよ。

 

 

 

 

 以下真面目な解説です。

(この解説が真面目すぎるんで、最初にちょっとふざけたかったんです)

 

 

抗がん剤治療名って、慣例的に、使用する薬品の頭文字を取ってそのまま命名されることが多いんですよね。

 

今回の治療方法「 CODOX-M/IVAC 」は、

 

Cyclophosphamide シクロフォスファミド 

Vincristine (Oncovin) ビンクリスチン、商品名オンコビン

Doxorubicin ドキソルビシン 

high-dose Methotrexate 大量メソトレキセート 

 

CODOX-M投与を Day1からDay15まで、

 

さらにこれが終わってから

 

Ifosfamide イフォスファミド

Etoposide (VP-16) エトポシド

high-dose cytarabine (Ara-C) 大量シタラビン

 

IVAC投与を Day 1’から Day 7’まで

 

これを1クールとして2回以上(推奨3回)行います。

 

 これは米国で効果のあがった、バーキットリンパ腫白血病に最も奏功があると言われている治療になります。

 

 さらに、この抗がん剤治療を始める前のPrephase としてプレドニンの投与もありました(既に終わりました)。

 

 

何の話やねん!と言う方へ、治療の流れを分かりやすく解説すると、

 

 

 

緊急入院

プレドニン投与 [Prephase]

(CODOX-M/IVAC は非常にキツい薬剤なので、いきなり始めると腫瘍がどんどん崩れて血中に大量に溢れます。これを腫瘍崩壊症候群と言い、腎機能に重い負担がかかって、最悪の場合、人工透析が必要になります。これを避けるため、まずはプレドニンというステロイドを投与し、腫瘍を少しずつ壊していきます)

CODOX-M  [15days]

(今ここです。今日がDay6)

好中球・血小板回復待ち(骨髄抑制期間)

(neutrophil count  > 1.0×10^9/L)

(platelet count > 75×10^9/L)

IVAC [7days]

好中球・血小板回復待ち

CODOX-M [15days]

好中球・血小板回復待ち

IVAC [7days]

 

という流れです。

 

骨髄抑制 : 正常な造血細胞も抗がん剤の影響を受けるため、白血球や血小板の血中濃度が低下する。これを骨髄抑制と呼ぶ

好中球 : 白血球のひとつで、白血球のうち約6割を占める。運動性と食作用が著しい(外敵と闘う)

 

 

 ここまでで完全奏功すれば、治療は終了になりますが、そう簡単には行かないのが現状です。

 

 腫瘍を叩き切ったつもりでも、残っていたりすることも多いんですよね。

 

 そこで、治療の次に行う可能性があるのが、「造血幹細胞移植」です。

 

 これは、簡潔に言えば、前回の記事に書いた「造血幹細胞」を、移植するというものです。

 僕の造血幹細胞は、造血の途中で癌化してしまうので、正常に造血することのできるドナーの細胞を移植するのです。

 

 

 造血幹細胞移植には、大きく三通りの方法があります。

 

 ひとつは、「末梢血幹細胞移植」。

さらには、「臍帯血移植」。

そしてもうひとつが、あの「骨髄移植」です。

 

 

 

末梢血: 通常の血管を流れる、いわゆる「血液」だと思ってもらったら大丈夫です

 

 まず、最も古い「骨髄移植」について、説明します。

 

 骨髄移植とは、その名の通り、他人の骨髄液を抜き、患者の骨髄に注入する、というものです。臓器の移植であれば、そんなことをすると「侵入者やんけ!」となる場合が多いですが、骨髄移植はそのリスクが少ないそうです。(まぁ普通に拒否反応はありますが)

 

 ただ、骨髄移植は、ドナーから骨髄液を抜くというのが大変なので、なかなかドナー数も伸びませんでした。

 

 そこで画期的な方法が誕生します。

「末梢血幹細胞移植」と「臍帯血移植」です。

 

 そもそも造血幹細胞は、骨髄にのみ存在すると思われていました。ところが「臍帯血」と呼ばれる、赤ちゃんのへその緒や胎盤の中に含まれている血液にも存在することが明らかになりました。これが「臍帯血移植」です。さらに近年になり、「実は普通の人の血管内にも造血幹細胞が存在してるやないか!」となったわけです。今となっては技術革新も後押しし、献血のように普通に血を抜いて、造血幹細胞だけを取り、残りを戻す、という画期的な方法で造血幹細胞が採取できるようになりました。これが「末梢血幹細胞移植」です。

 

 

じゃあ簡単に移植できるやん?

 

 

と思いますよね、、、

 これが落とし穴です。

 

 

 

皆さんは、自分の「白血球の血液型」をご存知でしょうか?

 

(知ってるわけないやん)

 

AB型とかO型とかいうのは、実は「赤血球の血液型」なんですよね。

 

 同じように、白血球にも血液型があり、これはHLA(ヒト白血球抗原)と呼ばれています。

 

 HLAも、一般的な血液型と同様に、親から受け継がれるため、兄弟姉妹間では1/4の確率で、HLAの型が一致していると言われています。

 

 ただ。

 

僕は弟がいるんですが、多分一致してないです。それに、彼も昔手術をしているので、使えない、と。

 

 困るんですよね、、、

 

 

 HLAの型が、赤の他人と完全に一致する割合は、珍しい型だと数万分の一にまで下がります。しかしこれが一致しないことには、移植できない。

 

 

 今はHLA型の結果待ちです。怖いね〜。

 

ということで、本日僕が言いたかったのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたの血で、救われる命がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということです。

 

まずは、献血をしましょう。

僕は毎日のように赤血球と血小板を輸血されています。

 

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実は、献血された血液の有効期間は、たったの4日間なんです。

だから、常にギリギリなんです。

僕はこれがないと死にます。

どうか献血を。

 

 

 

それから、もし余裕があれば、献血ルームに行ったときに、受付でこう聞いてください。

 

 

骨髄バンクのドナー登録って出来ますか?」

 

 

 

 

 出来ます。お願いします。

京都市内は京都駅前、四条、伏見大手筋の各献血ルーム

 

追記

一応、年齢と体重に制限があります

年齢制限:18歳〜54歳

体重制限:男性45kg~ 女性40kg~

 

 

ドナー登録に必要な血液は、たったの2mLなんです。(献血と同時に、採取してくれます)

 

 

 これであなたのHLAの型が、登録されます。

 

登録だけでいいんです。

もし全国のどこかの患者さんと一致すれば、その時に連絡がきます。

 

http://www.bmdc.jrc.or.jp/pamphlet/data/inochinobaton.pdf

 

 

それから、女性の方へ。

もし子供を授かった場合には、公的臍帯血バンクと提携している産婦人科に行ってみてください。

 

https://www.bs.jrc.or.jp/kk/bbc/special/m6_02_05_saitai_teikyonoonega.html

 

 

 

 よろしくお願いします。

 

 

 もう一度言いますが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたの血で、救われる命がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一昨日は七夕でしたね。

どうかこの願いが、届きますように。

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Fight, again.

 

━━━     序文    ━━━━━━━━━━━

 

 

 405日ぶりに、闘病記を再開する。

 

 

 これは、白血病ステージⅣと診断された、少し気の強い20歳大学生の、或る闘病記だ。

 

 

 

 ひとつ、聞きたいことがある。

 こんな人間のことを、あなたはどう思うだろう。

 

 どうしてまた病気に、とか

 生きるの辛そう、とか

 

 確かに、そう思われても仕方ない。

 

 でも、そういう感情を持っているのなら、ここで捨てて欲しい。

 

 

 

僕の人生は、僕の尺度が決める。

 

 

 

 どうか小さな声で同情することなく、大きな声で応援してほしい。

 

 新たな闘病生活を前に、それだけを伝えたかった。

 この闘病記を再び終える日を夢見ながら、僕の生きた証を残すべく、再開する。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 6月28日に緊急入院して、一週間が経ちました。

 

 病名は、今のところ「バーキットリンパ腫」です。

 

 今のところ、と書いたのには深い理由があります。これについて話すには、まず「悪性リンパ腫白血病」というのがどのようなものなのか、それについて話す必要があります。

 

 (追記 : 僕は工学部生なので、細かいところガバガバです。医学部生さん、間違いあったら連絡してください)

 

 

 そもそも、悪性リンパ腫白血病は、骨髄腫を加えて「三大血液がん」と呼ばれています。つまり、血液が癌化する病気です。

 

 ご存知の通り、人間の体内には血液が隅々まで巡っています。この隅々まで張り巡らされている血管が、毛細血管です。血液には血漿赤血球、白血球など様々な成分があり、そのうち毛細血管から漏れ出ることの出来る血漿やリンパ球は、間質液(組織液)と呼ばれています。これが毛細リンパ管に流れ込み、合流してリンパ管を形成しています。また、リンパ管の途中には、リンパ節が存在し、ここでは何本かのリンパ管が合流し、再び流れ出て行きます。そして最終的に、リンパは鎖骨下静脈へ流入し、再び血液に戻るのです。

 

 f:id:GUCCHi:20180706094631p:image

 

  ここで、血液・リンパ液の大元となる、多能性(造血)幹細胞について、さらに詳しく書いていこうと思います。多能性(造血)幹細胞とは、白血球やリンパ球、赤血球、血小板と、何にでも分化することのできる、言わば「スーパー細胞」です。

 

 

 f:id:GUCCHi:20180706105717g:image

 

多能性の造血幹細胞は、さらに骨髄系幹細胞ないしリンパ球系幹細胞に分化し、それぞれ血液成分、リンパ成分へと成長をしていきます。

 しかし、分化する途中、何らかの原因で成熟が止まってしまい、未分化のままの何の役にも立たない細胞(芽球などと呼ばれる)が異常増殖することがあります。

 

これが、白血病悪性リンパ腫です。

 

 

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上図のように、白血病悪性リンパ腫かという境目は、「どこまで成長した時点で分化が停止したか」で分類されるため、非常に曖昧なのです。そして僕の場合は、リンパ系幹細胞が前駆B細胞となった後、「未成熟B細胞を経て成熟B細胞となる過程」に完全なる異常が生じている、というわけなのです。これはB細胞型リンパ腫と呼ばれます。

 

 

T細胞:骨髄で生成されたリンパ球が胸腺に移送され成熟したもの。免疫反応に関与。

B細胞:骨髄で生成されたリンパ球が、そのまま骨髄内で成熟したもの。免疫反応に関与。

 

 

 B細胞性のリンパ腫には、他に「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(以下DLBCL)」と呼ばれるものもあり、病理の結果ではこちらが出ていました。

 

 つまり、僕は「バーキットリンパ腫」と「DLBCL」の中間病態であると言えます。

 

 さらに近年、「バーキットリンパ腫」は、「バーキットリンパ腫白血病」と表記されるようになっています。これは先程も述べたように、リンパ腫と白血病の境目が非常に曖昧であり、特にバーキットリンパ腫が「悪性リンパ腫に分類されながら、実際は白血病に近い病態である」からなのです。

 

 だから僕は、とりあえず病名を聞かれたとき、分かりやすいように「白血病」と言っているのです。

 

 

 

 (いや、複雑すぎやろ…)

 

 

 この小難しい話は、また追い追いしていきます。今日は入門なので、この辺までで。

 

 

 

  病状についてお話しします。

 

 ステージⅣ、と書きましたが、厳密には違います。

 

 

 そもそも、こういった類の白血病は、発症時に白血病細胞が血液を介して全身に広がっているため、ステージのような病期分類がありません。さらにバーキットリンパ腫は、週単位で進行する高悪性度に分類されるため、そのような病期分類をしたところで、ということもあります。

 

(追記:よくよく確認したら、一応病期分類ありました。ガッツリStage Ⅳ に両足突っ込んでます。医者の嘘つき!笑)

 

 ではなぜ、敢えてステージⅣと書いたのか。

 

 それは僕のPET-CTを見て貰えば分かります。

 

 PET検査とは、癌細胞が他の細胞よりも消費エネルギーが大きいことを利用して、よりグルコースを消費している部分を可視化する検査です。

 

 

 ちなみに、これが正常画像

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僕はこれですよこれ↓

 

 

f:id:GUCCHi:20180706200742j:image

 

 すごい光ってますよね。光っている部分が、癌です。(脳は、もともと消費エネルギーが多いので、この検査では判断しきれませんが)

 

 

 

 背骨&骨盤、光りすぎやろオイ、、、

 

 

 

 

一昨日、本当に痛くてベッドの上で這いずり回って叫んだ挙句、モルヒネまで打ってもらったんですが、まぁ当然と言えば当然ですよね。

 

 

 あ、医療用麻薬って凄いんですよ。

僕みたいに24時間静注使用を続けても、麻薬中毒にならないのです。

 

いや、それにしても、めっちゃフワ〜っとするあの浮遊感、、、

大麻やったことある奴なら分かると思います)

 

 

 話が逸れました。とにかく、骨髄がここまでやられていると、普通の癌ならステージⅣ(末期)に分類されちゃうんですよね。(医師談)

 

 

 

 それから、僕は眼底に多量の出血があったり(視力かなり落ちました)、脳内の硬膜と呼ばれる部分にも癌細胞が浸潤していたりと、おそらく中枢神経もやられている可能性があります。

 

 バーキットリンパ腫白血病は、一般に、よく抗がん剤の効く病気だとは言われていますが

 

 *LDH上昇

*骨髄浸潤

*中枢神経浸潤

 

は大きな予後不良因子とされており、完全に当てはまっています。

 

 ま、どう転ぶかは、神のみぞ知る、というところですよね。

 

 今日はこの辺りにしておきます。

また少しずつ更新していきます。

末長くお付き合いくださいませ。

 

 

明日も生きます。

 

 

 

 

P.S. お見舞い結構来てくれて、本当に嬉しいです。めっちゃ元気出る。ありがとうみんな。